複雑な問題を解決するSIMPLERULES(シンプルルール)

SIMPLERULESという本を読みました。著者は、ドナルド・サル氏とキャスリーン・アイゼンハート氏。

ドナルド・サル氏は、マサチューセッツ工科大学の講師。キャスリーン・アイゼンハート氏は、スタンフォード大学の工学部教授。

そんな経歴の2人が、結果を出したい時や、問題や悩みを解決したい時に効果がある方法を教えてくれております。

その効果がある方法とは、「シンプルなルールづくり」をすること。

ルールをシンプルにすることで、物事の決断ができるようになって、人間関係もうまくいきやすくなる。また、状況が変化しても、柔軟に対応できるようになる。そして、なにより覚えやすいとメリットが多々あります。

では、その「ルールとはなにか?」「どうやって作成するのか?」についてお伝えしていきます。

シンプルなルールの4つの条件とは?

シンプルなルールには、4つの条件があります。

  1. ルールの数が少ない
  2. 使う人に合わせてカスタマイズできる
  3. 具体的である
  4. 柔軟性がある

4つの条件によって、行動力があがり、柔軟に対応ができるようになります。

具体例:健康的な食生活を送るためのルール

①「本当の食べ物を食べる」

②「食べすぎない」

③「野菜中心にする」

シンプルなルールの範囲内で、自由に食べ物を選ぶことができる。という4つの条件を抑えております。

この4つの基本的なルールを意識することが大前提です。さらに、シンプルなルールの中には「物事を決断する」時と「物事をうまく進める」時の2つのルールがあります。

まずは「物事を決断する時」のルールからお伝えします。

物事を決断する時のルール

物事を決断する時に使うルールは以下の3つです。

  1. 境界線ルール
  2. 優先順位ルール
  3. 停止ルール

それぞれどんな時に効果を発揮するか、簡単にご紹介します。

境界線ルール

二者択一の形式で「行動するかどうか?」「選択するかどうか?」を決める時に使うルールです。

具体例:泥棒が家に入るかどうかを決めるルール

外に車が停まっている家は避ける

家が留守かどうか?を命中率ばつぐんで当てることができる。

優先順位ルール

こちらは時間や労力、資金が限られている時に活躍するルールです。

具体例:鉄道経営で最初に手をつける課題を決める時のルール

①最も売り上げ拡大の妨げになっているものはどれか

②最もすぐに利益が出るものはどれか

③最も投資額が少なくて済むものはどれか

④最も再利用が可能なものはどれか

結果、3年足らずで売上高が50%増加。独立した鉄道網をひくことができた。

停止ルール

物事の止め時を見極めて、タイミングを決めるときに使うルール

具体例:コオロギがパートナーを決める時の停止ルール

1秒間に3回以上の頻度で連続して、スピーディーに”口説き鳴き”をするオスをパートナーに選ぶ

24時間にわたってなかなか好みの相手に出会えない場合は理想を下げる。

ベストでは無いにしても、そこそこ満足できるものが見つかった時点で意思決定を行うことがポイントです。

以上が「物事を決断する」に使う3つのルールでした。続いて「物事をうまく進める」時に使える3つのルールをご紹介します。

物事をうまく進める時のルール

物事をうまく進めるためのルールは以下の3つです。

  1. ハウツールール
  2. コーディネーションルール
  3. タイミングルール

それぞれ、どんな時に効果を発揮するか、簡単にご紹介します。

ハウツールール

「なにをどうするか?」をあらかじめ決めておくルールです。

3つのルールの中で、もっとも利用頻度が高く、仕事から芸術、緊急対応まで幅広く使えるルールとなっております。

具体例:スポーツキャスター

①全体の状況を説明できるようにする

②選手の動きを的確な言葉で表現できるようにす

③スコアを定期的に、かつ簡潔に伝えるようにす

④試合の重要な局面をいち早く察知できるようにする

⑤試合の緊張感を削がない解説を心がける

⑥選手の過去のプレイ、癖、人物像などを入念に調べあげる

結果、どんなスポーツに置いても、アナウンス技術が飛躍的に向上した。

コーディネーションルール

集団行動をとる時に使うルールです。集団をまとめる時にも使えます。

具体例:鳥の集団行動

①隣の鳥に近づきすぎない

②隣の鳥から離れすぎな

③隣の鳥と動きを合わせる

結果、1羽で飛んでいると、タカに襲われてしまうが、集団で行動することで逃げ切れる確率がアップした。

タイミングルール

いつ行うのか決めておくルールです。生活のリズムを整えたり、わざとタイミングをずらして成果をあげる時にも使えます。

具体例:不眠症対策

①毎朝同じ時間に起きる

②眠くなるまでベットに入らない。

③眠れない時は無理に寝ない

④ベッドで過ごす時間を減らす

結果、長期的にほとんどの人がぐっすり眠れるようになった。

では、実際にシンプルなルールを作るには、どうしたらいいか?についてお伝えします。

シンプルなルールをつくる4つの方法

ルールをつくるための方法は以下の4つのポイントです。

①自分の経験をとことん活用する

②他者の経験を解釈する

③科学的根拠で巧みに補強する

④話し合いでレベルを上げる

ここで、本書による具体例を紹介。

具体例:著者の夜のおやつルール

①スナック菓子を袋から直に食べない。必ず小さな器に移して食べる(書籍より)

②スナック菓子をいくつも大人買いしてため込まない(妻のアドバイス)

③平日はおやつ禁止。(自分の経験)

このように、自分なりのシンプルなルールを作成します。経験だけではなく、本や他者の意見も取り入れてルールを作っているのがポイントです。

シンプルルールまとめ

複雑なルールよりも、シンプルなルールの方が成果がでる!というシンプルルールのまとめでした。

物事をシンプルにするためには、時間がかかるけど、大きな価値があると本書の締め括りにも書かれております。

実際、ルール作りをやってみると、これがけっこう難しい。ルールを詰め込んだり、混乱して放置してしまったりと失敗続きです。めげずに少しずつ続けていこうかと思います。

本書には、これ以外にも、「仕事」や「私生活」で役立つ具体的な事例や、ルールを作ってからの運用方法など、様々な知識が盛り込まれております。

すぐに悩んでしまう人や、なにか目標がある人は読んでみることオススメです。

それでは、また。