鈴木祐(すずきゆう)先生の『無』をよみました!
鈴木さんの新刊は毎回チェックしてまして、今回『無』は精神面について書かれた1冊でした。
【こんな方にオススメ!】
- とにかく不安になりやすい
- 自意識過剰で苦しい
- 完璧主義で失敗してしまう
このような悩みを抱えている方にオススメの内容だったので
『無』についてカンタンにご紹介します。
じっさいに取り組んでいる内容ものせているので「修行が続かない!」みたいな方も、ご参考いただけると思います!
わたしたちはなぜ悩みを抱えるのか?
『無』では科学的なデータをもとに、悩みの原因について説明してくれます。
結論からいってしまうと、悩みの原因はこちらです。
苦しみ = 痛み × 抵抗
苦しみ(悩み)は、痛みと抵抗からきているという公式です。
このままだとわかりにくいと思うので、歯医者さんの例をつかって説明してみますね
たとえば、あなたが歯が痛かったとします
なにか食べるたびにジンジン痛くて食事が楽しめないレベルです。
しかし、歯は痛いけど歯医者にはいきたくない!と思っています。
でも歯医者さんに行かないと、歯の痛みは治らないです。
つまり、歯医者に行く必要があるわけです。
この「歯医者に行く必要がある」という事実が痛みです。
そして「歯医者に行く必要がある」のはわかってるけど
あなたは歯医者にいかないことを決意します。
放っておいたら痛みがひくかもしれないと思い、しばらく様子をみることにしました。
このように「怖いから歯医者に行かない」という行動が抵抗です
虫歯を放置した結果、あなたの歯は痛いままです。
歯が痛むたびに「歯医者に行かないとなぁ」って不安になります。
自分でも気が付かないうちに、ネガティブな気持ちになっていきます。
こうして「不安を抱えながら生活する」のが、苦しみです。
これが
苦しみ = 痛み × 抵抗
の流れになります。
歯医者の例であてはまめてみると
苦しみ = | 痛み × | 抵抗 |
不安を抱えた生活 | 歯が痛い | 怖いから歯医者いかない |
みたいになります。
つまり、わたしたちが抱える問題をカンタンにいってしまうと
すべては思いこみのせいだ!
ということになります。
というのも、実際に歯医者さんにいってみるとわかりますが
- 痛いと思ってたけど麻酔で痛くなかった
- 歯医者が「大丈夫?」って声かけてくれてやさしかった
- 保険適用で意外と安かった
このように想像していたネガティブなことが起こらないことがたいはんです。
つまり、この妄想は↓自分も思いこみだったわけですね。
しかし、ここがわたしたち人間のむずかしいところなのですが
人はつねに物語を想像する生き物
なので、コントロールがむずかしいです。
自分がつくりだした物語を信じこみやすいんですね。
わかりやすい例だと、失敗したときに
- あの人はわたしの失敗を笑っている
- 失敗したのは自分ができない人だからだ
頭の中でふとこのような考えがよぎった方もいると思います。
このような考え方は、歯医者さんの例と同じく事実とは違うケースがほとんどでしょう。
しかし、わたしたちは自分の脳がつくりだした思い込みによって落ち込んだり不安になります。
これは太古から身についたシステムなので、物語を作り出してしまうこと自体はどうしようもできないです。
苦しみ = 痛み × 抵抗
悩みを解決する「無我の境地」とは?
では、このような思いこみに左右されずに安心して生活するにはどうしたらいいのでしょうか?
その解決策として『無』では
という解決策を紹介しています。
「無我の境地」といっても
- 仙人
- 僧侶
みたいな「超人になろう!」ではないのでご安心ください。
無我の境地をざっくりお伝えすると
思いこみに左右されず行動できる!
このような状態のことです。
実際に「無我の境地」にいたった人は、このような行動をとります。
- 経験したことから学ぶのがうまい
- トラブルを冷静に対処できる
- 相手の気持ちを考えて行動できる
なんとも周りから好かれそうな人です。
では、実際にわたしたちが「無我の境地」を目指すにはどうしたらいいでしょうか?
『無』では、たくさんの精神修行の技法が紹介されています。
精神修行をくりかえすことで、先ほどお伝えした「無我の境地」に近づくことができます。
今回は、精神修行の中でも4章「悪法(あくほう)」が個人的に役立ったので、詳しくご紹介してみます。
精神修行が大事!
不安の根源である「悪法(あくほう)」を理解する
悪法(あくほう)というのは名前からも想像できるように
悪い法律
のことです。
誰しも自分なりの法律を持っています。
たとえば
- 「困っている人は助ける」
- 「頼まれたことは最後までやりとげる」
みたいな感じです
もちろん良い法律ばかりなら問題ありません。
しかし、わたしたちは気付かぬうちに「悪法(あくほう)」に振り回されています。
悪法は、子どもの頃に頭の中に染みこんでしまった悪い法律です。
全部で18種類の悪法があります。
個人的に気になった悪法を5つほどあげてみると
【悪法の種類】 | 【具体的な内容】 | 【原因(子どもの頃)】 |
欠陥(けっかん) | 自分は劣っている・なにか根本的な問題がある | 両親から十分なケアが受けられずに育った |
孤立(こりつ) | 周囲に溶けこめない、まわりから変だと思われている | 周囲の人と違ったり、疎外感をうけた経験 |
無能(むのう) | 問題を解決できない・1人では生きていけない | 自分の意思で物事を決められない状態 |
犠牲(ぎせい) | 頼まれたことを断れない・自分を優先するのは悪いことだ | 不安定な親の面倒・兄弟の面倒をみないといけない |
抑制(よくせい) | 行動と感情を押さえつける | 周りから馬鹿にされる・両親の冷たい態度 |
もしかしたら悪法をみて
と思った方もいるかもしれません。
この悪法は頭の中に染みついてしまっているので、普段は気づかないものです。
そして、やっかいなことに書き換えたりして、修正することもむずかしいです。
自分の中の奥深くに入り込んでしまっているので、まずは
自分がどんな悪法を持っているのか?
を知る必要があるそうです。
実際に悪法を見つける方法としては
『無』p160「悪法スコア・悪法日記」
に詳しいやり方が書いてあるので、興味がある方はご自身の悪法を探ってみてください。
概要だけカンタンにお伝えしておくと
- 18種類の悪法から、自分が当てはまりそうなものを予想する
- 実際に「悪法日記」で記録をとり、自分の悪法を見つけ出す
この作業を繰り返すことで、あなたの悪法を特定することができます
実際にわたしもやっている最中ですが、意外な悪法が見つかってビックリでした。

集計にはGoogleフォームっていうアンケート作成サービスつかってます。
誰でもカンタンかつ無料でアンケートつくれるサービスなので、便利に集計したい方はおすすめ!
集計してみたところ、欠陥(けっかん)や無能(むのう)が多かったです。
気付かぬうちに悪法に振り回されていたので、悪法って根深いなぁと感じております。
自分の悪法を理解しよう!
精神修行を続けよう!
今回は4章の「悪法」を中心にご紹介させていただきましたが
他にも
- 行動を変えるための降伏シート
- 自意識過剰で苦しい人のトレーニング
- 自分を守る結界の作り方
などなど、いろんな精神修行の方法が紹介されています。
ポイントとしては、さきほどお伝えした公式
苦しみ = 痛み × 抵抗
をおさえつつ、自分がつくりだした物語にのみこまれないようにするのが大事です。
鈴木祐(すずきゆう)先生の『無』、タイトルはちょっと変わっていますがメンタルの弱い人にとっては大変ありがたい本です。
わたしも『無』の修行僧の1人ですので、これから「最高の状態」を目指してがんばっていきます。
同じ道を志す修行僧の方は、これからよろしくお願いします!
おまけ:最近の修行状況
とにかく記事を書くのがおそくて……。
この記事を書き終わるまでに修行がすすんだので、ちょっとご報告です。
記事の中でも紹介させてもらった「悪法日記」はこんな感じ

とにかく「欠陥」と「無能」がとびぬけてました。
どうも自分のポンコツ具合に嫌気がさしているようです。
あと、本編↑でご紹介してなかった「畏経行(いきんひん)」もやってます。
この「畏経行(いきんひん)」は、カンタンにいうと日常の中で感動や驚きをみつける修行です。
具体的には「わっ!すごい!」みたいなポイントを探して、周囲を歩きまわります。
さいきん見つけた、感動や驚きをあげてみると
<葉っぱの水滴>

「わっ、キレイ!」ってなりました。
あと、これ「なんか、、、すごい!!」って思いました。
<ライトアップされたタマネギ>

といった感じで修行にはげんでおります!
修行なので、ときにはしんどいこともありますが
結界のおかげでなんとか修行を続けられております。
結界をはっておくと、新しいことに挑戦しやすくなるので
新しい環境にいる方にとっては、結界が大いに役立つと思いました。
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